「働き方改革によって残業できなった分、昼休みを使って仕事しなきゃ・・・」
「ご飯食べながら今日中にやらないといけないタスクを少しでも終わらせないと・・・」
「今日ランチミーティングだ・・・一人でゆっくりしたいんだけどなぁ・・」
働き改革によって残業ができなくなった会社が昼休みを献上して仕事をしたり、小さい事業所などでは、昼休みも電話番や来客の対応せざるを得ない状況のところもあり、弁当持参組などが暗黙の了解で留守番をしているようです。
じつはこの行為、
- 残業と同じように超過勤務になる
- 手当てがつかない場合はあらためて休憩時間を設けてもらう必要がある
などを分かっていなかったり、分かっていても時間外業務の報告を上司に言い出しにくかったりして、うやむやになっていることが多々あります。
本音をいうと誰だって昼休みは雑用にふりまわされたくない、ゆっくりしたいと思いますよね。
今回は昼休みに仕事をすること「自主的」「強要」について労働基準法的にどうなのか詳しく解説していきたいとおもいます。
結論、昼休みに仕事をしてはいけない
労働基準法の中では、労働時間が6時間以上の場合は45分以上、8時間以上は1時間以上の休憩をとることが義務づけられています。
雇用主の理解不足から昼休みも仕事を強いられている場合は、雇用主に「昼休みの雑用は交代制にしてほしい」とか「昼休みに雑用を課せられる場合は別途休憩時間がほしい」と伝えましょう。
本来、昼休みに仕事をしてはいけないことになっているのです。
「そんなこと上司にいえない」
「他の人は頑張っている」
なんて考えは今すぐに辞めましょう。
あなたがもし、今の会社はやりがいがあって楽しい!と思っていたりどんどん昇格していきたい!というのであればそれも1つの手かもしれません。
ですが、メリハリつけて休むときはしっかり休んだほうが効率のいい人もいます。
労働基準法に反していたとしても「いうことはできない」、「他の人もやってるから自分も頑張らないと」なんて考えは一旦捨てまずは自分にとって何が最適か考えましょう。
昼休みに仕事をしても偉くないし評価されるのは間違っている?
ひと昔前までは昼休みを惜しんで仕事をする人は頑張り屋さんで偉い人と、まわりの人は見ていましたが、今では「要領の悪い人」とみなされてしまうようです。
近年、雇用主は従業員が昼休みに仕事をしているからといって、その人を高く評価することはないようです。
営業職などで午後一番にお客様と約束している場合に、書類などの準備しておく必要がある人は「昼休みをとっていられない」状況かもしれません。
個人の事情によってケースバイケースなので、一概に「昼休みに仕事をするのはNG」とは言い切れませんが、時代は休み時間には仕事をしない方向にあります。
昼休みの時間を使って仕事をする人はけじめのない人?
とくに急ぐわけでもないのに休みもとらずに仕事をする人は、けじめのない人と思われても仕方がありません。
しかし、これは個人の問題というよりも会社の体質の問題であることが多く、昼休みはきちんととることを良しとするか、寸時を惜しんで仕事するのを良しとするか上司の考え方で「時間のけじめがない人」と「仕事熱心な人」の両極端に分かれてしまいます。
「時間のけじめがない人」と上司が思う会社なら、昼休みは仕事をせずにリラックスすればいいわけですが、昼休みにも仕事する人を「仕事熱心な人」と高く評価する上司のもとでは、おちおち休憩もとっていられませんよね。
本当は、「昼休みの時間を使って仕事をする人はけじめのない人」なんだということ上司に分かってもらえるように、平社員たちが働きかけることも大事です。
・昼休みに仕事をしている人が多い会社はアウト?
昼休みの時間も惜しんで仕事をする社員がたくさんいる会社は、業績が右肩上がりというイメージがありますが、実はそうでもないんです。
転職する際は、昼休み時間に会社訪問をすると、将来性のある会社かどうかがわかると言われています。
仕事ができる人のほとんどはオンとオフの切り替えがうまく、効率よく仕事をこなしているので企業の業績もよいようです。
・昼休みにきちんと休めないのはおかしい?
状況にもよりますが、昼休みに瞬時を惜しんで働く必要など、ほとんどないといえます。
休憩時間をとることは、労働者の権利なので、きちんと休めて当たり前のことなのです。
昼休みも仕事をする傾向にある社員が多い会社でも、自分から進んで休憩時間をきっちりとることで、まわりの人も休みやすくなります。
■昼休みの仕事は労働基準法第34条の(3項目)的にNG
ちなみに労働基準法第34条には休憩時間について次のように記されています。
第34条
1、使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。2、前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない
3 使用者は、第1項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
強要されたら断ろう
仮に休憩時間に仕事を強要されたら「オンとオフの切り替えがないと集中力が持たないタイプなんです」とサラッと切り返しましょう。
いきなり「労働基準法第34条をご存じないのですか」などと言ってしまうと、頭の固い
上司なら、プライドを傷つけられたと思ってしまうかもしれません。
実際、集中力はどんな人でも長くは続かないものなので、そのことは上司も長年の仕事における経験上から分かっているはずです。
たとえば電話番なども含め、これだけは休憩時間にやってほしいといったことが日常茶飯事のようなら、まずは社内の人事労務関係に訴えてみましょう。
法律では電話番なども仕事とみなされ、別途休憩時間を取る権利が認められています。
過去には昼休みの仕事を強いられて慰謝料の請求ができた事例もあるので、理不尽な仕事を休憩時間にも押し付けられている場合は我慢せず行動に移しましょう。
ランチミーティングに強制的に参加を求められるのはNG行為
一見、ランチミーティングは和やかに会話ができると言ったイメージですが、昼休みくらいは仕事関係のことから離れたいと思う人もいるはずです。
基本的に休憩時間は労働者が自由に使うことが保証されているため、強制参加させることは、法的にも問題があります。
食べながらの仕事は非効率
昼休みにどうしても片づけたい仕事がある場合についやりがちなのが、おにぎりや菓子パンを片手にデスクでパソコン作業をしてしまうことではないでしょうか。
昼食に糖質のみをとると血糖値が急上昇し、食べた後眠くなってしまいがちです。
結果的に午後からの集中力が保てず、総合的に見るとパフォーマンスが落ちてしまいます。
デスクでコンビニ食をとる場合も仕事は一時中断して、炭水化物だけではなくたんぱく質や食物繊維たっぷりの野菜を一品プラスするなどして、バランスのとれた食事をすることで、午後からも効率よく仕事をすすめることができます。
食べるときは食べることに集中してメリハリをつけるようにしましょう。
スマホをしながらの食事はNG?
ファストフード店などで、スマホを片手に食べ物を口に運んでいる人をよく見かけます。
一見効率がよさそうにも見えますが、食べることに集中できていないので噛む回数が減り、消化が悪くなります。
健康のことを考えるなら、食事中はスマホを見ない方がよいようです。
どんなに忙しくても、せめて食事をとるときはパソコンやスマホはさわらないというマイルールを作っておくと、次第に食事に集中することができます。
まとめ
現代人はいつも何かに追われており、体や心はストレスいっぱいの状態です。
せめて昼休みくらいは何も考えず、リラックスしたいものですね。
小さい事業所などでは、昼休みも電話番や来客の対応を強いられることがあったり、会社の体質によっては、昼休みもそこそこにデスクに向かうのが当たり前のところもあるようです。
昼休みをとるのは、労働基準法でも義務づけられています。
体や心が悲鳴を上げる前に、雇用主に仕事の効率を上げるためにも「昼休みの確保ができる環境を整えてほしい」と訴えてみましょう。
雇用主は、従業員が好意で昼休みの雑用を引き受けてくれているぐらいにしか思っていないこともあります。
意思表示を示しておくことは、大事です。