地下の世界で何が行われているのか?
道ばたにポツンとある「マンホール」。普段はほとんど意識することがないが、その下には、都市生活を支える巨大な地下インフラのネットワークが広がっている。
下水道管、水道管、ガス管、通信ケーブル……それらのメンテナンスや点検を担うのが、地下インフラ保守点検の仕事だ。建物や道路のように目に見える存在ではないが、地下インフラがひとたび機能不全を起こせば、私たちの暮らしは一瞬で止まってしまう。
そのため、点検作業は「都市の命綱」を守る重要な任務でもある。
どんな人が働いているのか?
地下インフラ点検の現場では、20代の若手から40代・50代の転職組まで、幅広い年齢層の作業員が働いている。
意外なことに、未経験からスタートする人も多い。体力が求められる現場ではあるが、作業手順や安全対策はマニュアル化されており、しっかりと研修を受ければ誰でも活躍できる可能性がある。
特に、40代でホワイトカラーから転職してきた人は、「目に見える成果を感じられる」「体を動かすのが性に合っていた」と語ることが多い。
現場のリアル:どんな仕事をしているのか?
点検作業の主な内容は以下のようなものだ:
- マンホールを開けて内部を目視確認
- 下水道管の破損・漏れのチェック
- カメラロボットによる配管内部の映像確認
- 必要に応じて高圧洗浄や補修作業
現場によっては、ガス検知器を使って安全確認を行ったり、交通誘導を担当したりすることもある。作業は基本的にチームで動き、役割分担が明確にされている。
また、夜間に行われるケースもあり、夜勤手当がつく現場では収入アップも見込める。
気になる給与・待遇・将来性は?
月給はおおむね25〜35万円、夜勤手当や現場手当がつけば月収40万円近くになることもある。正社員登用制度を設けている会社も多く、安定した雇用が期待できる。
また、資格取得(下水道管理技士、酸素欠乏危険作業主任者など)によって昇給やキャリアアップも可能だ。これらの資格取得を支援する制度が整っている企業も増えている。
さらに、都市部を中心にインフラの老朽化が進んでおり、今後も保守点検の需要は高まると見られている。つまり、この仕事は将来性も十分にあるといえる。
地味かもしれないが、なくてはならない仕事。「マンホールの下の世界」には、誇りをもって働くプロフェッショナルたちがいるのだ。